スナーク号の航海 スナーク号の航海(62) - ジャック・ロンドン著 まず最初に気づいたのは、ベッドが斜めになったということだ。訪問客達は柔らかいマットを抱えてどこかへ行ってしまった。タイハイイとビハウラも同じように姿を消した。家は大きなワンルームのような状態になったが、それがぼくらに丸ごと提供され、家の主人... 2016.10.01 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (61) - ジャック・ロンドン著 ぼくらは夕食ができるまで、すずしいポーチで、ビハウラが編んだ最高のマットの上に座っていた。同時に村人たちにも会った。二、三人連れや集団でやって来たりしたが、握手をし、タヒチ語で「イオアラナ」と挨拶した。正確な発音はヨー・ラー・ナーだ。がっし... 2016.09.24 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (60) ― ジャック・ロンドン著 少し帆走してスナーク号に戻ると、彼は身振り手振りでスナーク号の目的地を聞いてきた。サモア、フィジー、ニューギニア、フランス、イギリス、カリフォルニアと、航海予定の順に言うと、彼は「サモア」と口にし、自分も行きたいと身振りで示した。船には君を... 2016.09.17 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (59) - ジャック・ロンドン著 第十二章歓待よそ者が到着すると、誰もがわれさきに駆け寄って友人として自分の住まいに連れて行こうとする。そこでは地区の住民から最大級のもてなしを受ける。上座に座らされ最高のごちそうがふるまわれる。ポリネシア人の研究スナーク号はライアテア島でウ... 2016.09.10 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (58) - ジャック・ロンドン著 ある日の夕方、彼があくびをしたので、何時間ぐらい眠るようにしてるんだ、と聞いてみた。「七時間」という返事だった。「だが十年後には六時間にし、二十年後には五時間だけにするつもりだ。つまり、十年ごとに一時間ずつ減らしていこうってわけさ」「じゃあ... 2016.09.03 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (57) - ジャック・ロンドン著 ハワイでは長期にわたり優良な移住者を必要としていた。多くの時間やアイディア、資金を投入して適した人材を移住させているが、まだ十分ではない。にもかかわらず、ハワイはこの自然人を追放した。チャンスを与えなかったのだ。というわけで、ハワイの誇り高... 2016.08.27 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (56) - ジャック・ロンドン著 精神疾患の専門家の一人が、彼をターボル山の療養所に運んだ。彼が無害だとわかると、そこでは好きにさせてくれた。何を食べろとか指示されなかったので、彼は果物と木の実――それにオリーブオイルやピーナツバター、バナナを中心にした食事を再開した。体力... 2016.08.20 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (55) - ジャック・ロンドン著 「じゃあ、あんたも本を書いてるわけだ」と、彼は言った。ぼくは苦心して朝の分の執筆を終えたところだった。「俺も本を書いてんだよ」と、彼は告げた。おいおい、こいつの書いた物の面倒までみなきゃなんないわけかよ、とぼくは思った。イラッとした。文壇ご... 2016.08.13 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (54) - ジャック・ロンドン著 第十一章自然人ぼくがはじめて彼に会ったのはサンフランシスコのマーケット・ストリートだった。霧雨の降る午後、彼は膝までしかない丈の短いズボンをはき、シャツの袖をまくって、ぬかるんだ歩道を裸足ですたすた大股で歩いていた。足元は二十人もの浮浪児が... 2016.08.06 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (53) - ジャック・ロンドン著 ホオウミは小さな谷で、タイピー渓谷とは低い尾根で分けられている。ぼくらは言うことをきかない馬にさんざん手こずった末に、尾根のこちら側から出発した。一マイルほど進んだところで、ウォレンの馬がよりによってこの細い道で一番危険なところを選んだもの... 2016.07.30 スナーク号の航海読み物