スナーク号の航海 スナーク号の航海 (86) - ジャック・ロンドン著 「ワッツネイム(名前は?)」は、ピジン語で最もやっかいだ。意味はすべて、言い方で変わってくる。「何の商売?」の場合もあれば、「こんな無礼なことをして、どういうつもりだ?」となることもある。何がほしいんだ? 何を探してるんだ? ちゃんと見張っ... 2017.03.18 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (85) - ジャック・ロンドン著 ところで、ツーマッチは、元の英語と異なり、ピジン語では何か過剰なことを示すのではない。単に一番上だということを指す。ある村までの距離を原住民にたずねると、答えは「近い(クローズアップ)」「ちょっと遠い(ロングウェイ、リトルビット)」「だいぶ... 2017.03.11 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海(80) - ジャック・ロンドン著 「どの殺人について話をしてるんですか?」と、ふいにクライフィールド氏がヤンセン船長に聞いた。どうも会話がちぐはぐだった。ヤンセン船長は説明した。「ああ、それは私が話しているのとちがいます」と、クライフィールド氏が言った。「昔の話ですよ、二週... 2017.02.04 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海(77) - ジャック・ロンドン著 スウでは成果がないまま三日がすぎた。ミノタ号から呼びかけた求人に応じる者はなく、ミノタ号の乗組員で森の連中の犠牲になる者もなかった。本当のことを言うと、一人だけ犠牲になっといえるかもしれない。ワダが熱で寝こんでしまったのだ。ぼくらはボートに... 2017.01.14 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海(76) - ジャック・ロンドン著 最初に入港したのはマライタ島の西岸にあるスウーだった。ソロモン諸島は縁海(えんかい)*1で、島々や環礁に囲まれた閉ざされた海域にある。暗い夜には灯火もなく、暗礁が牙をむく。潮流も複雑に変化する海峡を航海していくのは非常にむずかしい。ソロモン... 2017.01.07 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海(75) - ジャック・ロンドン著 第十五章ソロモン諸島の航海「一緒に来ないか」と、ヤンセン船長がガダルカナル島*1のペンドュフリンで、ぼくらを誘ってくれた。チャーミアンとぼくは互いに顔を見合わせ、三十秒ほど無言で話し合った。それから二人同時にうなづいた。これが、ぼくらが物事... 2016.12.31 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海(74) - ジャック・ロンドン著 それから、南にはアトナム島が海から突き出し、北にはアニワ島、正面にはタンナ島があった。タンナ島を見誤る可能性はなかった。火山の煙が空高く立ち上っていたからだ。四十海里離れていたが、ずっと六ノットの速度を維持していたので、午後にはさらに接近し... 2016.12.24 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (73) - ジャック・ロンドン著 しかし、まだ問題はある。六月十日水曜日の夕方、正午に観測した位置と、その後の実際の速度と針路から午後八時の位置を推定した。その上で、スナーク号をニューヘブリディーズ諸島の最東端にあるフトゥナ島に向けた。この島は円錐型の火山で深海から標高二千... 2016.12.17 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海 (72) - ジャック・ロンドン著 それ以外にもトラブルや疑問がぼくを待ち構えていた。たとえば、こういう問題だ。南半球で、太陽が北の方向にあるとき、クロノメーターを使った天測を早朝に行うことができる。ぼくは午前八時に観測した。この観測で必要な要素の一つは緯度だ。正午に子午線南... 2016.12.10 スナーク号の航海読み物
スナーク号の航海 スナーク号の航海(71) - ジャック・ロンドン著 こうした激しい自問自答が続いて頭はくらくらするし、ぼくは今日がいつなのかもわからなくなった。スバのハーバーマスターが別れ際に言った忠告を思い出した。「東経では航海暦*1から前日の値をとるんだよ」新しい考えが浮かんだ。ぼくは日曜と土曜の均時差... 2016.12.03 スナーク号の航海読み物