ヨーロッパをカヌーで旅する 81:マクレガーの伝説の航海記

ジョン・マクレガー著

現代のカヤックの原型となった(帆走も可能な)ロブ・ロイ・カヌーの提唱者で、自身も実際にヨーロッパや中東の河川を航海し伝説の人となったジョン・マクレガーの航海記の本邦初訳(連載の第81回)
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軍が常駐している地区には約五百棟の住宅があった。頑丈な造りで、広々としていて、明るかった。すべてがレンガ造りで屋根はスレートだ。手入れもきちんとされている。建物はそれぞれ長さが約七十フィート(二十一メートル)、幅二十フィート(六メートル)の平屋である。この野営地にはすでに百五十万ポンドが費やされている。この住宅地の奥には兵士向けの庭がある。これはイギリスの野営地でも近年に取り入れられている特徴だ。この場所には数千人の兵士しかいないので、そのうち興味深いものはすべて見てしまった。レストランでは、二十人ほどの将校が連れだって朝食に集まってきているのを目撃した。が、とにかく声が大きく、粗雑で品がなく、言葉づかいも乱暴なことに驚かされた。ものすごい騒音で、それが途切れることがない。フランスの食事で、これほどひどいものには出会ったことがない。朝食を食べる間のわずか半時間ほどだが、これほど大声で怒鳴りちさずにはいられないのは、何か特別な理由があるのだろうと考えざるをえないほどだった。

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