スナーク号の航海

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スナーク号の航海

スナーク号の航海(76) - ジャック・ロンドン著

最初に入港したのはマライタ島の西岸にあるスウーだった。ソロモン諸島は縁海(えんかい)*1で、島々や環礁に囲まれた閉ざされた海域にある。暗い夜には灯火もなく、暗礁が牙をむく。潮流も複雑に変化する海峡を航海していくのは非常にむずかしい。ソロモン...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(75) - ジャック・ロンドン著

第十五章ソロモン諸島の航海「一緒に来ないか」と、ヤンセン船長がガダルカナル島*1のペンドュフリンで、ぼくらを誘ってくれた。チャーミアンとぼくは互いに顔を見合わせ、三十秒ほど無言で話し合った。それから二人同時にうなづいた。これが、ぼくらが物事...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(74) - ジャック・ロンドン著

それから、南にはアトナム島が海から突き出し、北にはアニワ島、正面にはタンナ島があった。タンナ島を見誤る可能性はなかった。火山の煙が空高く立ち上っていたからだ。四十海里離れていたが、ずっと六ノットの速度を維持していたので、午後にはさらに接近し...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (73) - ジャック・ロンドン著

しかし、まだ問題はある。六月十日水曜日の夕方、正午に観測した位置と、その後の実際の速度と針路から午後八時の位置を推定した。その上で、スナーク号をニューヘブリディーズ諸島の最東端にあるフトゥナ島に向けた。この島は円錐型の火山で深海から標高二千...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (72) - ジャック・ロンドン著

それ以外にもトラブルや疑問がぼくを待ち構えていた。たとえば、こういう問題だ。南半球で、太陽が北の方向にあるとき、クロノメーターを使った天測を早朝に行うことができる。ぼくは午前八時に観測した。この観測で必要な要素の一つは緯度だ。正午に子午線南...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(71) - ジャック・ロンドン著

こうした激しい自問自答が続いて頭はくらくらするし、ぼくは今日がいつなのかもわからなくなった。スバのハーバーマスターが別れ際に言った忠告を思い出した。「東経では航海暦*1から前日の値をとるんだよ」新しい考えが浮かんだ。ぼくは日曜と土曜の均時差...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(70) - ジャック・ロンドン著

方位磁石は油断がならない。北以外のあらゆる方向を指して船乗りをだまそうとするのだ。だから空の方角や太陽の方向を知ろうとしても、所定の時間に所定の場所にあるべきものがなかったりする。これが太陽となると大問題で――少なくとも、ぼくの場合は問題に...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(69) - ジャック・ロンドン著

クロノメーターの誤差については、時間を三十一秒プラスして読みとることで妥協し、ニューへブリデス諸島のタンナ島へ向かった。闇夜で陸地を探しながら進むので、ウーレイ船長のクロノメーターに基づいてスナーク号の位置が七海里ずれていることを念頭におい...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (68) - ジャック・ロンドン著

第十四章アマチュア航海士世の中にはたくさんの船長がいるし、信頼できる立派なキャプテンがいるのも承知している。が、スナーク号の船長となると話は別だ。ぼくの経験では、小型船で一人の船長の面倒をみるのは、赤ん坊二人の世話をするより手がかかる。むろ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (67) - ジャック・ロンドン著

現地人の牧師が釣りがうまくいくよう祈りをはじめると、皆、かぶりものをとった。次に漁労長とでもいう立場のリーダーがカヌーを割り当てて場所を指示する。皆、カヌーに乗りこんで出発した。とはいえ、女たちは、ビハウラとチャーミアンを除けば、誰もカヌー...
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