読み物

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スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (26)

夕方、ぼくらは手紙を出すために、またカヌーに乗った。すずしくて快適だった。サーカスの見世物になっている動物を見るように、ぼくらについてくる何人かの腕白小僧をのぞいて、この細長い村に人影は見えなかった。大気はすみきっていて、村のどこからでも、...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (25)

ぼくらがカヌーを一晩預けることになった人については、ここではカーニバルと呼ぶことにする。正確な名前をよく聞きとれなかったし、そう褒めている内容でもないので、その人にとってもその方がよいかもしれない。その日、ぼくらがぶらぶら歩いてその人の屋敷...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (24)

オリニー・サント・ブノワット休日翌日は日曜で、教会の鐘は休む間もなく鳴っていた。僕の知る限り、この土地ほど信心深い人々が好きなときに礼拝式に出かけられる場所は他にない。明るい日射しを受けて鐘の音が陽気に響きわたり、男連中は犬を連れてビート畑...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (23)

ついには鐘の音もとだえ、それにつれて日も陰ってきた。楽しいひとときは終わり、オアーズ川の渓谷を影と沈黙がおおった。ぼくらは立派な舞台を見終えて仕事に戻る観客のように、意気軒昂にパドルをこいだ。このあたりでは、川は前にもまして危険になっていた...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (22)

カヌーは川に浮かぶ木の葉のようだった。流れにとらえられ、ゆさぶられて、半人半馬のケンタウルスに巧みに運ばれる妖精のように押し流されていく。方向を維持するため。パドルを必死にこがなければならない。川は海へ向かって大急ぎで流れていた! 水の一滴...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (21)

増水したオアーズ運河翌朝、九時前にエトルーで二隻のカヌーを小型の荷馬車に積みこんだ。ぼくらも馬車の後からついていったが、この気持ちのよい渓谷は、見渡す限りホップ畑やポプラの木々でおおわれていた。丘の斜面のあちこちに感じのよい村々が点在してい...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (20)

同じことをイギリスでやってみれば、すぐに反駁されるだろう。とんでもない、自分の生活はひどいもので、あなたの方が恵まれてますよ、と。フランスのよいところは、だれもが自分は恵まれているとはっきり認めることだ。彼らは皆、自分の恵まれている点につい...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (19)

サンブル運河とオアーズ運河: 運河を航行する船翌日、ぼくらは遅くなってから雨の中を出発した。判事は傘をさして水門の端まで見送ってくれた。スコットランド高地をのぞけば、めったにこうなることはないのだが、ぼくらは今は天候についてはおそろしく謙虚...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (18)

広く知られていることだが、ロバの尻をたたいて急がせることほど無駄なことはない。ロバの尻をたたいて効果があるかというと、どんなにムチをふるったところで、鈍重なロバという生物がそれに応じて歩を早めることはないと、ぼくらは知っている。しかし、こう...
スティーヴンソンの欧州カヌー紀行

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 (17)

ランドルシーにてランドルシーでは、雨はまだ降っていて、風も吹いていた。だが、ぼくらが見つけたホテルの部屋にはベッドが二つあり、たくさんの家具が備えつけてあった。水差しにはちゃんと水が入れてあったし、食事もきちんとしていて、ワインも本物だった...
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