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スナーク号の航海

スナーク号の航海 (22) - ジャック・ロンドン著

この文章を書いているとき、ふと顔を上げて海の方を見た。ぼくはオアフ島ワイキキの浜辺にいた。ずっと向こうまで青い空が広がり、低い雲が青緑色の海の上を貿易風に流されていく。近くの海はエメラルド色で、オリーブの葉のような明るい緑だ。その手前には岩...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(21) - ジャック・ロンドン著

自慢かって? ぼくは奇跡を行ったんだからな。本で独学するのがどんなに簡単だったか、もう忘れてしまった。すべての成果(すばらしい成果でもある)は、ぼくより前に先人たちが成し遂げたものだ。航海術を発見し、それを説明するために「天測表」としてまと...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (20) - ジャック・ロンドン著

というわけで、ぼくがどうやって天文航法を独学したか簡単に説明しよう。ある日の午後ずっと、ぼくはコクピットに座り、片手で舵をとりながら、もう一方の手で対数の本をめくって勉強した。それからの二日間、午後二時間を航海術の理論、とくに子午線高度の勉...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(19) - ジャック・ロンドン著 

スナーク号の建造中、ロスコウとぼくとの間では、こんな合意ができていた。「教本や計器類を船に持ちこむから、今から航海術を勉強しておいてくれ。これから忙しくなるはずだから、ぼくに勉強する暇なんてないと思う。だから、海に出てから、お前が覚えたこと...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (18) - ジャック・ロンドン著

第4章到着「でも」と、ぼくらの友人が異議を唱えた。「航海士を乗せないで、よく航海に出られるな? 君は航海術を知らないんだろ?」ぼくは、自分が航海術を知らないこと、人生で一度も六分儀をのぞいたことがないこと、天文暦で緯度経度を割り出せるか自信...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(17) - ジャック・ロンドン著

さらに「五フィート(百五十センチ)ちょっと」の小柄な男からの手紙がこれだ。「あなたが夫人と一緒に小さな船で世界一周されるという勇敢な計画の記事を読み、自分自身が計画しているみたいでとてもうれしくなりました。それで、コックか給仕のどちらかにな...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (16) - ジャック・ロンドン著

志願者の大半が少年だと思ってもらっては困る。逆に、割合でいうと少年は少数派だった。人生のあらゆる段階の人々、つまり老若男女の志願者がいた。内科医、外科医、歯科医も大挙してやってきたし、そんな専門家すべてがどんな役割でもやるし、自分の専門領域...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (15) - ジャック・ロンドン著

第3章冒険 いや、冒険は死んではいない。蒸気機関やトマス・クック・アンド・サンのような旅行会社ができる世の中であっても、だ。スナーク号の航海計画が公表されると、年配の男女は言うまでもなく、「放浪気質」のある若い男女たち大勢が志願してきた。ぼ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (14) - ジャック・ロンドン著

サンフランシスコのボヘミアン・クラブには、何人かのベテランのヨット乗りのうるさがたがいた。なぜ知っているかといえば、スナーク号の建造中に連中がケチをつけたと聞いたからだ。スナーク号には一つだけ致命的な問題があるということだった。これに関して...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(13) - ジャック・ロンドン著

とはいえ、またも信じられない、ひどい事件が鎌首をもたげた。なんとも不可解で、ありえない事態だ。信じたくもない。メインセールをツーポンリーフし、ステイスルをワンポンリーフしたのだが、スナーク号はヒーブツーしてくれないのだ。ぼくらはドラフトが浅...
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