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スナーク号の航海

スナーク号の航海 (51) - ジャック・ロンドン著

南太平洋の島々の住民すべてのうちで、マルケサス諸島の人々が最強で、最も美しいとみなされていた。メルヴィルは彼らについて「とくに体の強さと美しさに強い印象を受けた…。姿態の美という点では、これまでに見たどの民族よりもすぐれている。体に自然にで...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (51) - ジャック・ロンドン著

ぼくらは馬に乗り、黄色い花粉をつけた桂皮が繁茂している、無限にも思えるやぶの海を進んでいった。ともかくも馬の背中にしがみついてはいるのだから、馬に乗っていると呼べるだろう。この茂みは香りが強くて、ススメバチが住み着いていた。なんというハチだ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (50) - ジャック・ロンドン著

それから長い年月を経ているし、のびたブタを食するというようなことを目撃する機会はないだろうと思っていたのだが、少なくともぼくはすでに、形状は楕円で、奇妙な彫りこみがなされた、百年も前に二人の船長の血を飲むのに使われていた、マルケサス諸島の正...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (49) - ジャック・ロンドン著

朝になって目がさめると、ぼくらはおとぎ話の世界にいた。スナーク号は、巨大な円形競技場のようになった、外洋から切り離された穏やかな港に浮かんでいた。見上げるように高い岩壁はツタにおおわれ、海からそのままそそりたっていた。はるか東には、壁面をこ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (48) - ジャック・ロンドン著

第十章タイピー東の方にあるウアフカ島は、あっという間にスナーク号に追いついてきた夕方の豪雨でまったく見えなくなった。だが、ぼくらの小さな船はスピンネーカーに南東の貿易風を一杯にはらませて快適に進んだ。ヌクヒバ島の南東端にあるマーチン岬を真横...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (47) - ジャック・ロンドン著

ぼくらは東へと進み、赤道無風帯を通過して南下し、南西からのいい風を捕まえた。この風では詰め開きで風上に向かえば、はるか西にあるマルケサス諸島にもたどりつけるだろう。だが、翌十一月二十六日、火曜日、すごいスコールが襲来し、風がいきなり南東に変...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (46) - ジャック・ロンドン著

食料貯蔵庫に追加したもので最も歓迎されたのはアオウミガメだ。重さは優に百ポンド(約四十五キロ)はあり、ステーキにしてもスープやシチューにしても、テーブルに並ぶと食欲を刺激してくれた。最後には絶品のカレーになったが、全員が飯を食いすぎてしまっ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(45)- ジャック・ロンドン著

とはいえ、その夜に雨が降った。水が少ないと思うとかえって喉の渇きを強く感じるものだが、自分の割当分の水をすぐに飲んでしまっていたマーチンは、天幕(オーニング)の下縁で大口をあけ、これまで見たことがない勢いで雨水をがぶ飲みしていた。貴重な水が...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (44) - ジャック・ロンドン著

日光が灰色と紫がかった雲のベールを通して射しこみ、海面は頻発する激しい豪雨にたたきつけられてフラットになったまま泡立っていた。雨が降り風が吹きすさぶ海面のうねりとうねりの谷間を白い水しぶきが満たし、海面はさらに平らになったが、海は前にもまし...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (43) - ジャック・ロンドン著

ミズンセールを引きこみ、しっかりたたんだ。夜になると、風がなくなり、うねりだけが残っていたが、索具がマストに当たる嫌な音もしなくなり、空気を震わせる不気味な音もなくなった。だが、大きなメインセールはまだ張っていたし、ステイスルやジブ、フライ...
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