現代語訳『海のロマンス』136:練習帆船・大成丸の世界周航記

米窪太刀雄(よねくぼ たちお)著

夏目漱石も激賞した商船学校の練習帆船・大成丸の世界周航記。
若々しさにあふれた商船学校生による異色の帆船航海記が現代の言葉で復活(連載の第136回)

四、寄り合い所帯

ブラジル国における欧州諸国の移民は、イタリアの百三十万人を筆頭に、スペイン、ポルトガルの各八十万人、ドイツの六十万人等が最も優勢である。

これらの移民のうちで、その時々で莫大な黄金(かね)をつかんで帰国する者が十万人を超え、一九〇八年に、この種の帰国者はリオ港から四万六千人、サントス港から四万人あった。

これらは皆、プロパガンダ(カトリック教)の手を経て入国して来た者である。ブラジル政府はこれらの欧州移民に対して、おのおのその国民性に応じ、速やかに本国と似た風土気候を物や土地を選定するなど、すこぶる丁重に応じている。 続きを読む