ヨーロッパをカヌーで旅する 88:マクレガーの伝説の航海記

ジョン・マクレガー著


現代のカヤックの原型となった(帆走も可能な)ロブロイ・カヌーの提唱者で、自身も実際にヨーロッパや中東の河川を航海し伝説の人となったジョン・マクレガーの航海記の本邦初訳(連載の第88回)
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翌朝、気分もすっかりリフレッシュし、また川にカヌーを浮かべた。今日も長時間の川下りに備えておく。川の水は透明で、水中では濃い緑の草が優雅な曲線を描いてなびいている。川が湾曲し影の差した水域に小さな中洲が点在しているが、それによって周囲の景色が変化する。こんな風にカヌーに乗って旅をする者にとって、景観には目に見える三つの領域がある。まず大きなアーチを描いている空だ。それから周囲の陸上風景。川の縁まで迫っている木々や花々。そうしたものすべてが川面に美しく映っている。川には驚くほど深くなっているところもある。川とその周辺の生き物や岩場や低湿地、低い川岸にある花々や苔なども目にすることができる。

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