オープン・ボート オープン・ボート 11 スティーヴン・クレインV「パイだと」と、機関士と記者が怒ったようにいった。「そんな話するなよ、馬鹿野郎!」「だってよ」と、料理長がいった。「ハムサンドのことを考えていたんだ。そしたら――」海で甲板のない小舟に乗っていると、夜が長く感じられる... 2018.08.11 オープン・ボート読み物
オープン・ボート オープン・ボート 10 スティーヴン・クレイン低い陸地の上空がかすかに黄色みを帯びてきた。夕闇が少しずつ濃くなってくる。それにつれて風が冷たくなり、男たちは体をふるわせた。「くそったれが!」と、一人がいらだっていった。「いつまで、こんな風にしてなきゃなんないんだ。... 2018.08.04 オープン・ボート読み物
オープン・ボート オープン・ボート 9 スティーヴン・クレイン砂浜は遠く離れていて、海面より低く見えた。小さな黒い人影を見分けるには、目をこらして探さなければならなかった。船長が棒きれが浮いているのを見つけたので、そこまでボートを漕ぎよせた。ボートにはなぜかバスタオルが一枚あった... 2018.07.28 オープン・ボート読み物
オープン・ボート オープン・ボート 8 スティーヴン・クレイン著そのとき迫ってきた波は、さらにおそろしかった。こういう波はいつだって、小さなボートに襲いかかって泡立つ海に引きづりこもうとする。波が迫ってくるときは、その前から長いうなりのような音がした。海になれていなければ、ボート... 2018.07.21 オープン・ボート読み物
オープン・ボート オープン・ボート 7 IV「料理長君」と、船長がいった。「君のいう避難所には、人のいる気配がないようだが」「そうですね」とコックが答えた。「妙ですね、俺たちのことが見えてないなんて!」 ボートに乗った男たちの眼前には、低い海岸が広がっていた。上が植物で黒っぽくな... 2018.07.13 オープン・ボート読み物
オープン・ボート オープン・ボート 6 スティーヴン・クレインこうした理由から、機関士も記者も、このときばかりは漕ぎたくなかった。記者は、正直にいうと、まともな人間で、こういうときにボートを漕ぐのが楽しいと思うようなやつがいるわけないと思った。気晴らしのレジャーではないのだ。ひど... 2018.07.07 オープン・ボート読み物
オープン・ボート オープン・ボート 2 この救命ボートに乗るのは、ロデオの暴れ馬に乗っているようなものだった。馬とボートを比べても、大きさにたいして変わりはない。ボートは馬のように跳ねたり船尾を下にして立ち上がったり、海面に突っこんだりした。波が来るたびにボートは高く持ち上げられ... 2018.06.02 オープン・ボート読み物