スナーク号の航海

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スナーク号の航海

スナーク号の航海 (86) - ジャック・ロンドン著

「ワッツネイム(名前は?)」は、ピジン語で最もやっかいだ。意味はすべて、言い方で変わってくる。「何の商売?」の場合もあれば、「こんな無礼なことをして、どういうつもりだ?」となることもある。何がほしいんだ? 何を探してるんだ? ちゃんと見張っ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (85) - ジャック・ロンドン著

ところで、ツーマッチは、元の英語と異なり、ピジン語では何か過剰なことを示すのではない。単に一番上だということを指す。ある村までの距離を原住民にたずねると、答えは「近い(クローズアップ)」「ちょっと遠い(ロングウェイ、リトルビット)」「だいぶ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (84) - ジャック・ロンドン著

第十六章 ピジン語*1 白人の交易商人の数が多いこととエリアが広いこと、原住民の言語や方言が二十以上もあるということになれば、交易商人たちは、まったく新しい、科学的とはいえないものの、完全に実用に適した言葉を作り出す。そうやって実際に作り出...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(83) - ジャック・ロンドン著

その夜、コールフェイルド氏は警告を発した。ぼくらが募集した労働者の一人に、貝の貨幣を五十ファザムとブタ四十匹の賞金がかかっているというのだ。船の略奪に失敗した森の民は、その男の首を狙うことにしたらしい。殺し合いが始まってしまうと、いつ終わる...
スナーク号の航海

スナーク号の航海 (82) - ジャック・ロンドン著

ミノタ号は手を抜かずに建造されていた。こういうことは、船が岩礁に乗り上げたようなときにものを言う。船が何に耐えたかについては、座礁して最初の二十四時間に二本の錨鎖がちぎれ、八本の太いロープが切れたという事実でもわかるだろう。乗組員たちは海に...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(81) - ジャック・ロンドン著

もう一つの人工島のスアヴァで、チャーミアンは二度目の災難にあった。スアヴァで一番の大物だという男(つまり、スアヴァで最高の偉い人)が船に乗ってきたのだ。だが、そいつは最初、ヤンセン船長に自分の高貴な身を包みかくす布が必要だと使者を送ってきた...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(80) - ジャック・ロンドン著

「どの殺人について話をしてるんですか?」と、ふいにクライフィールド氏がヤンセン船長に聞いた。どうも会話がちぐはぐだった。ヤンセン船長は説明した。「ああ、それは私が話しているのとちがいます」と、クライフィールド氏が言った。「昔の話ですよ、二週...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(79) - ジャック・ロンドン著

ぼくらはランガランガから礁湖をさらに進んだ。マングローブの生い茂った沼沢地で、航路はミノタ号よりちょっとだけ幅があるかなというくらいだ。海沿いのカロカ村とアウキ村を通り過ぎた。ベニスを作った人々と同じように、ここの海の民はもともと本土から避...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(78) - ジャック・ロンドン著

ソロモン諸島ではよくあることだが、船上でのジョニーの仕事は、たばこと交換で、上陸用ボートの帆柱やメインスル、ジブを取り戻すことだった。その日も遅くなって、村長(むらおさ)のビリーが船にやってきて、マストとブームを返し、たばこを受け取った。こ...
スナーク号の航海

スナーク号の航海(77) - ジャック・ロンドン著

スウでは成果がないまま三日がすぎた。ミノタ号から呼びかけた求人に応じる者はなく、ミノタ号の乗組員で森の連中の犠牲になる者もなかった。本当のことを言うと、一人だけ犠牲になっといえるかもしれない。ワダが熱で寝こんでしまったのだ。ぼくらはボートに...
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