かつて昭和の時代の日本では、ヨットの航海記といえば、各出版社が競って出版していた花形ジャンルの一つでした。
海が未知のフロンティアではなくなった現代、冒険航海の本も「最高齢」「最年少」「世界初」といったキャッチフレーズがなければ、なかなか受け入れてもらえず、出版されることもまれになってきました。
これからは何をしたかではなく、つまり、単に体育会系の「やったぜ、俺」的なものではなく、「何を感じどう思ったか」という、時代をこえて普遍的に価値のあるものをどう伝えるか、が重要になってくるでしょうね。
ここで紹介するのは、小さなヨットの航海がまぎれもなく冒険だとみなされていた、ある意味で幸福な「個人による大航海時代」に出版された航海記です。
絶版になってすでに入手困難なものも多いのですが、図書館や古書店で探すという「本の海での冒険」としての楽しみもありますよ。
- 『海とぼくの「信天翁」』 青木洋著、 PHP研究所
- 『はるかなる海の唄』 浅沼良男著、 講談社
- 『ふたりぼっちの太平洋』 石川雅敏・紀子著、 自費出版
- 『ふぁざあぐうすの海—父とひとり娘の大西洋横断記』 石浜恒夫著、 学習研究社
- 『風になった私—単独無寄港世界一周278日の記録』 今給黎教子著、毎日新聞社
- 『アジズ号とわたし—大西洋単独横断記』 ニコレット・ミルンズ・ウォーカー著 岡本浜江訳 、日本リーダーズダイジェスト
- 『水平線の少年』 牛島龍介著、 朝日ソノラマ
- 『小さな洋上教室』 内海勝利著、 玉川大学出版部
- 『夢をかたちに—ヨット「椰子丸」の南太平洋クルージング』 海輪光正著、舵社
- 『地球は小さなタマッコロ—波切大王航海記』 大儀見薫著、 教育社
- 『海のレゾナンス—単独世界一周 ヨット、リサ号と』 大滝健一著、 舵社
- 『かあちゃんのヨット大冒険』 大平幸子著、 講談社
- 『港を回れば日本が見える ヨットきらきら丸航海記』 岡敬三著、 舵社
- 『シンシアとぼくと太平洋—123日漕航横断記』 岡村精二著、 立風書房
- 『ぼくの太平洋大航海—お父さんとヨットで太平洋横断155日間の記録』 岡本篤著 、講談社
- 『たった二人の大西洋』 ベン・カーリン著、 大日本雄弁会講談社(講談社の前身)
- 『コラーサ号の冒険』 鹿島郁夫著、 朝日新聞社
- 『ブルーウォーター・ストーリー—たった一人、ヨットで南極に挑んだ日本人』 片岡佳哉著、 舵社まだまだ続きます。