帆船やヨットで必須のロープワーク10選 (2/2)

帆船やヨットは大小様々なロープにあふれています。
代表的な結び方をマスターしておきましょう。

同じ用途で何種類も結び方があります。また、同じ名前なのに、微妙に違っている場合もあります。

うろおぼえの知識の数を増やすより、応用のきく少数の結び方をしっかりマスターするほうがはるかに大切です。

今回は、後半の5つの結び方です。

ロープの途中に枝輪をつける:プルージックノット(Prusik knot)

プルージックノットは輪にしたロープを使います。用途に応じて、太さや長さを決めてください。左はマストに上るときの命綱のバックアップ用(3m)。

テントの張り綱に調理器具や洗濯物を吊すときにも使えて便利です。

輪を作るには、ここでは一重のテグス結びを使っています(テグス結びについては、このページの最後にリンクがあります)。

ステンレス管を結びつける対象(ロープやマストなど)とします。

次の図のように、下側(手前)のロープをマスト等に巻いてに輪の中に入れます。

こんな感じ。

これをもう1回。

2回入れたところ。消防関係では2回のことが多いですが、登山では3回が一般的かな。

自分の体重を支えなければならない場合は3回、品物を吊すだけなら2回でよいでしょう。

 

これで下側(手前)を引いて締めると、完成。

図の左右(上下)に引こうとする力(荷重)がかかっても結び目はずり落ちません。結び目を緩めると、移動できます。

ロープの途中に輪をつける方法としてはバタフライノットなどもありますが、輪の位置を変えにくいので、キャンプなどでも、こちらの方が利用価値は高いですね。

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ヨットの航海記の名著:『スプレー号世界周航記』ジョシュア・スローカム著/高橋泰邦訳

1977年、草思社(単行本)/

2003年、中公文庫BIBLIO

ジョシュア・スローカム(1844年~1909年)はカナダ東部、ノバスコシア生まれの船乗りで、1895年から1898年に足かけ三年かけて、世界で初めて一人乗りのヨットで地球を一周する航海をなしとげた。本書は1900年に出版され、ベストセラーとなった。

ジョシュアは子だくさんの農場に生まれ、靴職人として働いていたが、16歳で家を出た。沿岸航海の船で経験を積み、アイルランド行きの貨物船に乗り換えて大西洋を渡ってダブリンに到着すると、今度は中国行きの船に水夫として乗り組み、アジア経由でサンフランシスコまで航海した。この間、南米大陸最南端のホーン岬を二度まわる経験を積んでいる。

18歳で海技試験を受けて正式に二等航海士となり、一等航海士、船長へと階段を駆け上っていく。

22歳でサンフランシスコに定住し、米国市民となった。サケ漁や毛皮の取引に従事した後、また船乗りの生活に戻り、沿岸航海の船を経て、外洋交易に従事するバーク型帆船の船長となった。オーストラリアで妻とめぐりあって結婚し、家族を伴って船でアラスカへ向かい、サケ漁でとれたサケをサンフランシスコに運んだりした。二十代後半から四十代にかけての二十年間に、船長として八つの船を指揮した。日本にも寄港している。 続きを読む

『海のロマンス』(現代表記版)の紙本

システムトラブルでオンデマンド出版の紙本の刊行が当初の予定より遅くなりましたが、やっとできてきました。

単行本として一般的な四六判ですが、結構分厚いです。こんな感じ。


(右は岩波文庫版の『白鯨 上』)

 

電子書籍版は国内主要販売ストアで販売されていますが、オンデマンド出版の紙本はアマゾン Kindle、楽天ブックス/KOBO、東京三省堂書店で入手可能です。

帆船やヨットで必須のロープワーク10選 (1/2)

帆船やヨットは大小さまざまなロープにあふれています。
代表的な結び方をマスターしておきましょう。
同じ用途で何種類も結び方があります。また、同じ名前なのに、微妙に違っている場合もあります。
うろおぼえの知識の数を増やすより、応用のきく少数の結び方をしっかりマスターするほうがはるかに大切です。
ここでは、ヨットなどのプレジャーボートや海で役に立つ結び方8つと、キャンプなどでも重宝する結び方2つ、計10個を紹介します。

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『海のロマンス』のオンデマンド出版による紙本について(最新)

オンデマンド出版担当の企業からの報告によれば、アマゾンから「システムトラブルは解消した」という連絡があったそうで、紙本の発行もまもなくと思われます(現時点で、まだサイト上での電子書籍と紙本の連携はできていないようですが)。

出版社(上記オンデマンド出版担当企業とは別です、念のため)の方からは、将来的なトラブル対策を兼ねて、オンデマンド出版のチャンネルを増やす旨の連絡が来ています。

アマゾンに加えて、楽天ブックス/KOBO、実店舗の東京・三省堂書店でオンデマンド出版が可能となるよう手配したそうです(8月下旬には実現見込み)。どこで購入してもまったく同じです。

ちなみに電子書籍の方は従来から国内の主要販売サイトで入手可能になっています。

なお、電子書籍は税抜き価格で500円ですが、紙本の方はその7,8倍の4000円近くとかなり割高になります。標準的な電子書籍の表示で700ページ、四六版の紙本で550ページ程度と、普通の新書の2~3倍程度の分量があるのに加えて、カラーの図版がかなりあるためです。

判型を大きくして、モノクロにし、さらに活字を小さくして二段組みにでもすると、多少は安くなるようですが、そうなると、一定の年齢以上の方には字が小さすぎて読みにくい、、、など、なかなか一筋縄ではいきませんね。

ちなみに、高価な紙本の収益は安価な電子書籍より少ない(4000円近い価格でもほとんど利益が出ないとか(^_^;

サイトの(プチ)リニューアル

過去の海の冒険だけでなく、現在進行中の冒険についても取り上げる予定で以前から準備を続けていましたが、このところの新型コロナウイルスの流行の広がりで中止が相次ぎ、なかなかきびしい状況ですね。

そこで、外観はほとんど変わりませんが、サイトの内容について今後は「海の冒険に関する名著の紹介」と実際に冒険を楽しむための基礎的な知識や技術について取り上げていきます。